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徒然草気まま読み#47
「臨機応変」
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今回扱うのは、第二百十三段。
全文を紹介すると…
御前の火爐(かろ)に火おく時は、火箸して挾む事なし。土器(かはらけ)より、直ちにうつすべし。されば、轉び落ちぬやうに、心得て炭を積むべきなり。
八幡(やはた)の御幸に供奉の人、淨衣(じょうえ)を著て、手にて炭をさされければ、ある有職の人、「白き物を著たる日は、火箸を用ゐる、苦しからず」と申されけり。
何事も、杓子定規に固定した考えで行動してはいけない。
しきたりというものは、それぞれに意味があって定められているものではあるが、いつどんな場合でもそのとおりにやらなければならないというわけではない。
その場の状況によって、多少正式とは異なる形となっても認められるという、余裕や寛大さはあっていいもの。
兼好なりの自由さ、柔軟さが表れた一段。
その場にはその場に合わせた振る舞いというものがある。